今回は、商品を販売した時、代金の決済として、クレジットカードを提示された場合の仕訳について学びます
クレジット・カード取引とは
商品を販売し、顧客からクレジット・カードを提示されると、代金は後日もらうことになります
このような場合、売掛金とは区別して、クレジット売掛金で仕訳します
クレジット売掛金は
売掛金と同じで資産です
あとで、お金をもらう権利です
資産のホームポジション | |||
借 方 B/S 貸 方 | |||
資 産 | 負 債 | ||
資 本 | |||
増えたら借方 | 減ったら貸方 | ||
クレジット・カード取引の流れ
クレジット決済についての一連の流れは、下のイラストのようになります
① 顧客からカードを提示される
② 信販会社が代金を立替える
当社は、信販会社から立替てもらうことにより、代金を回収し、手数料を支払います
信販会社が立替えてくれるので、確実に代金を回収できます。
このようなサービスに対して、企業は手数料を支払います。
③ 顧客が代金を支払う
顧客が信販会社に代金を支払いますが、これは顧客と信販会社との取引なので、当社は仕訳はしません
クレジット売掛金の仕訳
クレジット決済の手数料の計上のタイミングには、次の2つがあります
手数料の仕訳は①・②のどちらにするかは、問題の指示に従います
販売時に手数料を計上する場合
次の例題をみてみましょう
6/1
商品1,000円をクレジット・カードにより販売した。
なお、信販会社へのクレジット手数料は販売代金の1%であり、販売時に計上する。
クレジットで販売したので、
クレジット売掛金(資産)を増やします
また、販売時に手数料を計上するので
支払手数料(費用)を増やします
仕訳と勘定への転記は次のようになります
日 付 | 借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
---|---|---|---|---|
6/1 | クレジット売掛金 資産+ | 990 | 売上 収益+ | 1,000 |
支払 手数料 費用+ | 10 | |||
支払手数料の金額 1,000 × 1% = 10円 |
クレジット売掛金 | 売 上 | |||||
6/1 売上 990 | 6/1 諸口 1,000 | |||||
支払手数料 | クレジット売掛金 支払手数料 | |||||
6/1 売上 10 |
貸方は売上(収益)を増やします
・代金が入金された時
7/1
先のクレジット取引について、信販会社から手数料1%を差し引いた手取額が当社の当座預金口座に入金された
入金されたので、
クレジット売掛金(資産)を減らします
仕訳と勘定への転記は次のようになります
日 付 | 借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
7/1 | 当座預金 資産+ | 990 | クレジット売掛金 資産ー | 990 |
当座預金 | クレジット売掛金 | |||||
7/1 クレジット売掛金990 | 7/1 現金 990 |
借方は当座預金(資産)を増やします
入金時に手数料を計上する方法
次の例題をみてみましょう
6/1
商品1,000円をクレジット・カードにより販売した。
なお、信販会社へのクレジット手数料は販売代金の1%であり、入金時に計上する。
仕訳と勘定への転記は次のようになります
日 付 | 借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
6/1 | クレジット売掛金 資産+ | 1.000 | 売上 収益+ | 1,000 |
支払手数料はまだ計上しません |
クレジット売掛金 | 売 上 | |||||
6/1 売上 1,000 | 2/1クレジット売掛金1,000 |
次の例題をみてみましょう
7/1
先のクレジット取引について、当社の当座預金口座に入金された。
なお、販売代金の1%の手数料を入金時に計上する。
日 付 | 借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
---|---|---|---|---|
7/1 | 当座預金 資産+ | 990 | クレジット売掛金 資産ー | 1,000 |
支払 手数料 費用+ | 10 |
当座預金 | クレジット売掛金 | |||||
7/1クレジット売掛金990 | 7/1 諸口 990 | |||||
支払手数料 | 当座預金と支払手数料 | |||||
7/1クレジット売掛金 10 |
【確認問題】
仕訳してみましょう
商品20,000円をクレジット・カードにより販売した。
なお、信販会社へのクレジット手数料は販売代金の1%であり、入金時に計上する。
上記のクレジット取引について、当社の当座預金口座に入金された。
なお、販売代金の1%の手数料を入金時に計上する。
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