商品売買において、代金を後で払ったり受け取ったりする場合、買掛金や売掛金で仕訳します
では、商品売買以外の場合はどうなるのでしょうか
それでは、詳しくみていきましょう
未収入金の仕訳のしかた
未収入金とは
未収入金とは、商品売買以外の取引において、代金をまだもらっていない場合に使用する勘定科目です
未収入金は後で代金をもらう権利なので資産です
資産は増えたら借方です
| 資産のホームポジション | |||
| 借 方 B/S 貸 方 | |||
| 資 産 | 負 債 | ||
| 資 本 | |||
| 増えたら借方 | 減ったら貸方 | ||
未収入金が発生した時の仕訳
次の例題をみてみましょう
6/1
所有していた土地（帳簿価額1,000円）を3,000円で売却し、代金は7/1に受け取ることとした
土地は商品ではないため、
売掛金（資産）ではなく、
未収入金（資産）を増やします
仕訳と勘定への転記は次のようになります
| 日付 | 借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
|---|---|---|---|---|
| 6/1 | 未収入金 資産＋ | 3,000 | 土地 資産ー | 1,000 |
| 固定資産売却益 収益＋ | 2,000 |
| 未収入金 | 土 地 | |||||
| 6/1 諸口 3,000 | ６/1 未収入金1,000 | |||||
| 土地と固定資産売却益 | ||||||
| 固定資産売却益 | |
| 6/1 未収入金 2,000 | |
貸方は土地（資産）を減らします
売薬額との差額が固定資産売却益（収益）になります
未収入金を受け取った時の仕訳
次の例題をみてみましょう
7/1
かねて売却した土地の代金3,000円を現金で受け取った
代金を受け取ったので、
未収入金（資産）を減らします
仕訳と勘定への転記は次のようになります
| 日付 | 借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
|---|---|---|---|---|
| 7/1 | 現金 資産＋ | 3,000 | 未収入金 資産ー | 3,000 |
| 現 金 | 未収入金 | |||||
| ７/1 未収入金 1,000 | ７/1 現金 3,000 | |||||
借方は現金（資産）を増やします
未払金の仕訳のしかた
未払金とは
未払金とは、商品売買以外の取引において、代金をまだ支払っていない場合に使用する勘定科目です
未払金は後で代金を支払う義務なので負債です
負債は増えたら貸方です
| 負債のホームポジション | |||
| 借 方 B/S 貸 方 | |||
| 資 産 | 負 債 | ||
| 資 本 | |||
| 減ったら借方 | 増えたら貸方 | ||
未払金が発生した時の仕訳
次の例題をみてみましょう
8/1
備品1,000円を購入し、代金は9/1に支払うことにした
備品は商品ではないため、
買掛金（負債）ではなく、
未払金（負債）を増やします
仕訳と勘定への転記は次のようになります
| 日付 | 借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
|---|---|---|---|---|
| ８/1 | 備品 資産＋ | 1,000 | 未払金 負債＋ | 1,000 |
| 備 品 | 未 払 金 | |||||
| 8/1 未払金 1,000 | 8/1 現金 1,000 | |||||
借方は備品（資産）を増やします
未払金を支払った時の仕訳
次の例題をみてみましょう
9/1
かねて購入した備品の代金1,000円を小切手を振り出して支払った
代金を支払ったので、
未払金（負債）を減らします
仕訳と勘定への転記は次のようになります
| 日付 | 借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
|---|---|---|---|---|
| 9/1 | 未払金 負債＋ | 1,000 | 当座預金 資産ー | 1,000 |
| 未 払 金 | 当座預金 | |||||
| 9/1 当座預金1,000 | 9/1 未収入金 1,000 | |||||
貸方は当座預金（資産）を減らします
未収入金と未払金の仕訳の注意点
未収入金と未払金の仕訳は、売掛金や買掛金との違いをしっかり理解することが重要です
売掛金・買掛金と未収入金・未払金の違いは下の表のようになります
| 売掛金・買掛金 | 未収入金・未払金 | |
|---|---|---|
| 増加する取引 | 商品売買 | 商品売買以外 |
| 相手勘定科目 | 売掛金の相手は売上 買掛金の相手は仕入 | 有形固定資産など |
売掛金・買掛金は、商品売買取引にのみ使用する勘定科目です
よって売掛金や買掛金が増える時の相手勘定科目は、売上や仕入と決まっています
これに対して、未収入金・未払金は、商品売買以外の取引で使用する勘定科目です
【確認問題】
仕訳してみましょう
建物10,000円を購入し、代金は後日支払うこととした
なお、手数料等の付随費用1,000円を現金で支払った
土地（帳簿価額10,000円）を8,000円で売却し、代金は後日受け取ることとした
未収入金と未払金の仕訳でおさえるべきポイント
- 商品売買以外の取引で、代金が未収の場合は、未収入金で仕訳する
- 商品売買以外の取引で、代金が未払いの場合は、未払金で仕訳する
- 未収入金と未払金は、売掛金や買掛金との違いをしっかり理解する
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